ダイエットや筋トレするなら知っておきたい「アドレナリン」の効果

脂肪を燃やす運動編

ダイエットや筋トレをするなら脳内麻薬とも言われる「アドレナリン」の働きを知っておいて損はない。「アドレナリン」と言われると「やる気を出すホルモン」ということはわかっている人でも、「アドレナリン」が脂肪の燃焼やストレスの解消、筋肉の肥大化の為に重要な働きをしていることを理解している人は少ない

ここでは、ダイエットや筋トレを行う上で欠かせない「アドレナリン」について、最低限知っておいてほしいことを解説する。

火事場の馬鹿力を発揮する脳内麻薬「アドレナリン」

「アドレナリン」といえば、なんとなく「やる気に満ち溢れる脳内物質」ということはわかっている人が多いのではないだろうか?アドレナリンは「闘争か逃走か(Fight or Flight)ホルモン」と呼ばれている。人間が自然界で生き抜くために必須なホルモンであり、身体の運動能力を向上させ「戦闘状態」に持っていく。

ここでは、より具体的に「アドレナリン」の作用を説明してみたいと思う。

血管の拡張及び収縮を通して運動能力が向上する

「アドレナリン」が体内で分泌されると、場所によって血管の拡張と収縮が起きる。すなわち、全身の血液の再分配が行われ、運動能力を向上させる働きが生じる。

骨格筋や心臓、肺、肝臓の血管が拡張する

アドレナリンが分泌されると、運動するために必要な身体の器官である「骨格筋」や「心臓」、「肺」、「肝臓」の血管が拡張する。血管が拡張すると、そこを流れる血流も増加するので、筋肉にはより多くのエネルギーが供給されるため、身体の運動能力が向上する。

ちなみに、何で「肝臓」の血管が拡張する必要があるの?と思わる方がいるかもしれない。これは「肝臓」が筋肉を動かすために必要なエネルギー(=ブドウ糖、グルコース)を「グリコーゲン」という形で一時的に貯蔵しており、運動を行う時に「グリコーゲン」を分解して「ブドウ糖、グルコース」に戻す働きをしているからである。

つまり、「肝臓」は筋肉を動かすためのエネルギーを「一時的に貯蔵する働き」と「貯蔵用に変換されたエネルギーを元の筋肉を動かすためのエネルギーに戻す働き」をしているのである。

皮膚や粘膜、消化器の血管は収縮する

上記で骨格筋などの血管が拡張したままだと、体全体の血圧が下がってしまうため、皮膚や消化器といった身体の運動能力には直接関係しない箇所にある血管は収縮する。この流れの中で消化器の働きは抑制される。つまり、空腹を感じにくくなると共に排泄作用なども抑えられる。

心拍数は上昇し、気管支は拡張する

筋肉周りの血管が拡張し、エネルギー供給の準備が整ったら、次に運動組織に大量のエネルギーを送り出すための仕掛けが作動する。すなわち、心拍数は上昇し血液の流れが早くなることで、エネルギーが血液を通して体中をめぐることになる。また、「有酸素運動」と言われるように筋肉を動かすためのエネルギーとして酸素を多く必要とするため、気管支が拡張される。

血糖値が上昇する

アドレナリンが分泌されると肝臓の働きが高まるため、「血糖値」が上昇する。すなわち、肝臓や筋肉に蓄えられている「グリコーゲン」が「ブドウ糖、グルコース」に戻され、血液中に放出される。結果、筋肉がブドウ糖を消費して運動を行うとともに、脳が覚醒する。アドレナリンが分泌されると集中力や注意力が向上すると言われているのはこのためである。

ちなみに、血糖値が上昇することは空腹を抑制することにも繋がる。なぜなら、空腹というのは血糖値が低下することによって脳が「エネルギー不足」のシグナルを発信することによって生じる働きだからである。アドレナリンの分泌によって血糖値が上昇すると空腹を感じにくくなる

脂肪を燃焼する働きが向上する

ダイエットをする方には嬉しい「脂肪を燃やす働き」をアドレナリンは向上させてくれる。これは、アドレナリンが体内に分泌されると、脂肪を分解するための酵素である「リパーゼ」の働きが向上するからである。結果、体脂肪の分解が促進される

痛みを感じさせる働きを抑える鎮痛作用を発揮する

アドレナリンは痛みを感じさせる働きを抑える。アドレナリンは前述したように「闘争か逃走か(Fight or Flight)ホルモン」である。いざという危機的な環境において、「痛み」を感じている暇はない。とにかく危機的な状況で生存するためにはその場を乗り切ることが何よりも優先される。そこで、アドレナリンは痛み自体を抑制させてしまうのである。

アドレナリンを分泌させるには?

体内ホルモンの 「アドレナリン」は腎臓のすぐ上にある臓器である「副腎」で作られている。ちなみに、この「副腎」、非常に小さいので知名度も低く忘れ去られがちであるが、「副腎」はアドレナリンだけに限らず、血圧の調整をしてくれる「アルドステロン」というホルモンや糖・脂質・たんぱく質の代謝に関与する「コルチゾール」ホルモンなど、体内環境を良い状態に保つためのホルモンを分泌する非常に大切な臓器である。

アドレナリンを分泌されるには次の方法が効果的と言われている。

激しい運動を行う

激しい運動を行うとアドレナリンの分泌が活発化する。筋トレなんかはその代表例とでも言うべきものである。
一方で、ウォーキングなどの負荷が軽い運動ではアドレナリンは分泌されないので注意が必要である。

カフェインを摂取する

コーヒーに含まれている「カフェイン」はアドレナリンの分泌を促す働きがある。カフェインには脳を覚醒する働きがあると知っている人は多いと思う。これは、カフェインがアドレナリンを分泌させる為に生じる働きである。

つまり、カフェインはダイエットに繋がる。すなわち、カフェインを摂取することでアドレナリンが分泌される。結果、アドレナリンを通して、①消化器の血管が収縮し働きが抑制される、と共に、②血糖値が上昇し空腹感を感じにくくなるのである。

気分が高揚する音楽を聞く

アドレナリンは気分が高揚する音楽を聞くだけでも分泌される。トレーニングジムなどで音楽を聞きながら筋トレをしている人はアドレナリンを分泌させるためにハイビートな音楽を聞いているのである。

42度ぐらいの熱いシャワーを浴びる

熱めのシャワーを浴びるとアドレナリンの分泌が促進される。ダイエットをしている方は「運動の後に熱いシャワーを浴びると脂肪の燃焼効果が高まる」と聞いたことはないだろうか。
これは、熱いシャワーを浴びてアドレナリンが分泌されるためである。アドレナリンが分泌されることで、脂肪を分解する酵素である「リパーゼ」の働きが促進される

 

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